母の再婚で陸斗と義理の兄妹になった、朝岡学園の新一年生です。一時的に陸斗と相部屋になり、"妹"ではなく"弟"だと偽って生活することになります。それでいながら、学園には女装して通って女生徒として扱われるので、兄の陸斗は何が何だかわかっていないようです。小柄で幼さが残るところもかわいいと、男子の人気は高いのですが、本人はまったく自覚がありません。小さい頃から家事をこなしてきたので、今ではなんでもできるしっかり者です。特に料理は大得意で、レパートリーも豊富です。根は寂しがりやで、新しい家族ができたことを喜んでいますが、陸斗にウソをついていることに良心の痛みを感じています。
朝岡学園の新一年生です。下町のいなせで生まれ育ち、勉強、スポーツ、ルックスと三拍子揃った、明るくて元気な女の子です。数多くの男子から告白されてきましたが、誰にもOKを出したことはありません。一番仲のいい異性は中学1年生からずっと同じクラスだった陸斗ですが、なぜか友人以上の関係に発展する気配はないようです。名が体を表していて、お祭り、とにかくみんなで楽しく盛りあがるのが大好きです。両親と弟の4人家族で、実家は『七勢寿司』という寿司屋ですが、家族関係があまりうまくいっていないようです。歩夢が陸斗の前で"男の子"のフリをしていることを、三谷家以外の人間で唯一知っています。子供嫌いを公言していますが、どうやら何か事情があるようです。
陸斗たちと同じクラスになった、朝岡学園の新一年生です。正真正銘の女の子なのに、男子の制服で男子生徒として堂々と学園に通っています。剣術『無限開真流』の師範である祖父に男の子として育てられ、免許皆伝を得るまでは男として生きようと思っています。クールで正義感の強い女の子ですが、ちょっと融通が利かないところもあります。今は女を捨てて生きていますが、本当は可愛いものが大好きです。でも、そういうものに興味を示すことじたいを恥ずかしがる一面があります。
朝岡学園の新一年生で、陸斗たちのクラスの委員長を務めることになります。とても成績優秀で、入学式でも新入生総代に選ばれました。引っ込み思案でなかなか自己主張ができず、小中学生の頃は陰で「地味花」と呼ばれていた過去があります。進学にともなって自分を変えようと決意し、まずメガネをコンタクトにしました。でも内気なところは少しも変わっておらず、努力もいまいち空回りぎみです。陸斗とは小学生の頃に1年だけ同じクラスだったことがあります。希実花のほうは陸斗をはっきり覚えていましたが、陸斗は希実花のことを覚えていませんでした。そのことを寂しく感じる一方、陸斗に昔のことを思い出されるのもあまり歓迎できず、悩んでいるようです。
この物語の主人公で、朝岡学園の新一年生です。損な役回りを引き受けてでも物事を丸く収めようとする温和な性格ですが、悪意を持ってだます人には怒ります。父・直真の再婚については反対こそしませんが、亡母への思いがまだ残っているため、あまり積極的には賛成していません。良子や歩夢に対しては、新しい家族というよりも同居人として考えています。サッカーのセンスが抜群で、これまで何度も部活に入るよう誘われましたが、家事を理由に断っています。
陸斗のお父さんで、いちご洋菓子専門店「een × vijf」のオーナーパティシエです。陸斗のお母さんの七回忌が終わったのを区切りに、今まで自分を支えてくれた良子と再婚することになりました。男手ひとつで陸斗を育ててきたので、陸斗に対しては厳しめに接することもあります。パティシエとしての腕前は一流で、お店はよく雑誌などにとりあげられ、繁盛しています。出身地のプロサッカーチームの熱烈なサポーターでもあります。過去、信頼していた誰かに裏切られたことがあるようです。
歩夢の実母で、この春に直真と再婚しました。映画やドラマなどの特殊メイクのお仕事をしており、実力も実績も相当なレベルです。実年齢よりも若く見られることが多く、性格も子供っぽいところがあります。人当たりが良く甘え上手ですが、親しい人にはわがままを言ってトラブルを引き起こすこともあります。直真と別室で寝るのを嫌がり、歩夢を『男の娘』に仕立てて陸斗と相部屋生活をさせた張本人なのですが、何か他の理由もあるようです。
陸斗が暮らしているマンションのお隣さんで、この春に中学生になる女の子です。陸斗のことを「お兄ちゃん」と呼び、とても慕っています。でも、未玖が男勝りなので、陸斗にとっては「妹」というより「弟」という感じです。将来の夢は「お兄ちゃんのお嫁さん」だそうです。
陸斗たちのクラスの担任です。はじめての担任業務ということと、もともとがドジっ娘なので、失敗が目立ちます。でも本人はおおらかなのであまり気にしません。先生という立場を忘れ、生徒と一緒になってはしゃいでいることがよくあります。精神年齢の低さに見合わずスタイルは抜群で、よく男子生徒をドキッとさせていますが、本人にはまるっきり自覚がないようです。
朝岡学園新一年生で、陸斗たちのクラスメイトです。大の知りたがり屋で情報収集は欠かさず、最新ガジェットを入念に集めています。態度は紳士的で言動もかっこいいのですが、興味が女性に向くと変態紳士になってしまうちょっと残念な男の子です。「しょうがないやつだな」とみんなから思われながらも、締めるべきところはきっちり締めるので、陸斗は頼りにしています。
朝岡学園2年生で、陸斗と同じ中学の出身にあたります。イケメンかつサッカー部のエースストライカーかつバイク好きと、女子から人気を集める要素には事欠きません。中学時代に陸斗のセンスを見抜いてサッカー部にスカウトしましたが、最後までOKの返事を引き出せませんでした。頼もしい先輩なのですが、すぐバレる憎めないウソをつくことがよくあります。
深城区初芝に住んでいる中学3年生で、歩夢の従妹です。歩夢とは「あゆちゃん」「ちいちゃん」と呼び合う仲良しです。歩夢がいなせに引っ越してきて家が近くなったため、ときどき遊びに行くようになりました。住んでいるマンションのとなりの部屋に、10年来の付き合いの幼なじみがいるそうです。
いなせ第三中学の新三年生で、陸斗のひとつ後輩です。実家はいなせの老舗和菓子屋「卯月庵」で、近所の奉莉とは幼なじみで仲良しです。和菓子屋の娘なのに洋菓子好きで、直真の作る洋菓子のファンでもあり、陸斗とも顔なじみです。歳の離れた姉がひとりいますが、だいぶ前に家を出たようです。
祖先が創設した剣術流派『無限開真流』の4代宗家で、『鋼真齋』(こうしんさい)という号を名乗っています。流派の跡を継がせるため、孫の真央を男の
子として厳しく育ててきました。大変頑固な性格の持ち主で、それが真央の性格にも影響を与えています。ただ、最近はそんな真央を見て、いろいろ思うことがあるようです。